後遺障害1級、既存障害2級と判断されたが、異議申し立てにより後遺障害1級、既存障害5級となり、賠償額が2,000万円以上増額したケース
賠償額:2200万円の増額
被害者の方は高齢で事故の3年以上前に頚髄の手術を行っており、手術直後は体を動かすことが不自由でしたが、1年以上リハビリを行い、散歩や庭仕事などを行うことができる程度には回復しており、日常生活には何不自由ない状況でした。
そんな状況で、突然事故に巻き込まれ、頚髄を損傷し、下半身をほとんど動かすことができない障害を負ってしまいました。
最初の後遺障害の認定申請結果は、「後遺障害1級1号、既存障害2級1号」というものでした。
後遺障害1級1号とは、寝たきりで常時介護をする人が必要になる状態を言います。
そして、後遺障害2級1号とは、寝たきりとまでは言えないものの、随時介護を必要とする状態を言います。
上記の認定は、いわば「事故のせいで寝たきりになったけど、もともと寝たきり状態に近い状態はあったのだから、その分損害認定を減らします。」という主旨でした。
当事務所にて、そのような認定に至った理由を調査したところ、自賠責調査事務所が3年以上前の手術時の診断書を「最新のもの」として取り扱っており、その診断書に基づいて判断がなされたためであることが判明しました。(確かに、その病院のデータでは「最新」であることに間違いはありませんが、3年以上前の手術直後のデータであって、その後のリハビリで身体機能が回復するに至った経緯は完全に見落とされていました。)
そこで、当事務所は、後遺障害認定に対して異議申し立てを行い、介護施設の介護記録(段ボール一箱分ありました)を調査し、被害者の日常生活の記録や、施設のイベントにおける写真等を示して日常生活を送るうえで支障のないくらいまで身体能力が回復していることをりっしょうしたり、、直近に診察を受けた病院があったので、その病院の医師に診察時の状態について詳細に意見書を作成してもらうなどを行いました。また、介護認定が軽度なものに変更になっていることなど、公的な証拠の提出も行いました。
その結果、「もともと寝たきりに近い状態であった」という認定から、「日常生活で支障のないくらい体は動く」という認定に変更となりました。
(※この認定変更については、保険会社の顧問弁護士からも「既存障害の認定を軽くさせるという発想はありませんでした。紹介事例として扱いたいくらいです。」とお褒めの言葉(?)をいただきました。)
そして、新しい後遺障害の認定結果を元に協議を行い、結果的に当初提示額よりも2,000万円以上高い賠償金の獲得に成功いたしました。
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